2011年10月


大変遅くなりましたが、特別寄稿へのコメントとして…。

ルールは社会においてその時点における仮の決定という面があると思います。後半に書かれていますが、ルールはいつでも動くし、ルールを守らなかったのかそれともルールを制定した時点で成り立っていた条件均衡が、今この瞬間に当てはまらなくなったのか。そうであれば、それを認識した者が、そこでゲーム中断を申告する必要があると思います。

もうゲームはやれない。

ルールの中で行えない状況が生まれた時点で、時代が変化しルールの変更が求められていると考えます。ということで、ゲームをやめるのが良いと思います。そこに美を持ち込む必要があるかはわかりません。それが「美」による脅迫になる可能性もあります。でもちっぽけな脅迫です。負け惜しみと言われるのが関の山でしょうか。

もしくは、変動するルールに対抗して常にインプロヴァイズするか。そのインプロヴァイズを美とするならばそれもありでしょうか。でも、インプロヴァイズは能力や鍛錬が必要です。

もうゲームはやれない。

ゲームを放棄しているようですが、先にルールを放棄したのは相手でしょう。もしくは甘んじて負けを受け入れ、己の美を主張するか、誰かに代弁させるか…。芸能的演出欲求があるならばそれもひとつの案かもしれません。

ルールが変わったら、場所を移動する。それは逃げに見えますが、ルールを替えたやつが先に逃げたわけですから。

人間が同じ場所にいるには、ルールを守り合う必要があるという認識は、今の世の中ではほとんど無くなっているのかもしれません。そういう意味では、その認識を確認するために場を降りるということで良いのではないでしょうか。ルール外でも勝てる見込みがあれば別でしょうけれど。

もう同じ土俵には立てない。同じ土俵では無くなった。

ということを表明してはどうでしょう。
(m01)

こんなに久しぶりの投稿になってなんとも恐縮なことではございます。2年くらい放置しているような気がしていましたが、特別寄稿から5ヶ月でした…。その挙句ちょっといったんスルーしつつ、時事ネタといいますが、絶賛お祝いエントリーをば。

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「もっとドラムがうまくなる〜7つの最強プログラム〜」からちょうど2年経とうとしているのですね。この本にも登場してくれたピエールこと中野正敏君の教則作品「Chaotic Vibes Drumming」が完成し発売されました!パチパチパチ!中野君、そしてSさん編集ご苦労様でした!

Chaotic Vibes Drumming[入門編]
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教則本とDVDによる「入門編」とDVDの「実践編」、さっそく多くの人の手にわたり評価も得ているようですね。まずは教則本を読ませて頂きましたが、またしてもS氏編集による良作品が実現したなと思っています。そして中野が何年も前から言っていた「教則をやりたい」というものが、実によく伝わって来ましたし、今まであまりなかった、そして自分にはできない領域を達成してることに敬意を感じます。

対談に呼んでもらったことや著作紹介ももちろん嬉しいことなんですが、本を読んでみてその存在自体にいろいろな感慨があります。個人的なことは自分の日記に書いてるんですけれども、このブログで言いたいこととしては、伝えることを諦めてはいけないな、ということですね。自分はもうここ数年、伝えるということに対して絶望感みたいなものを感じずにはいられないことが多かったと思っています。もちろんなんとかしようとはしてきていますが、一つ前のS氏の特別寄稿エントリーなんかもある意味そうだと思うんですが、どうして伝わらないのか、ということに向きあい過ぎると疲弊するばかりなのかもしれません。そして、こういう作品が個人作品の中で実現しているというのは、今まで多くの教則本やドラムマガジンなどの雑誌で構築されてつつもまとまりが得られにくかったところが、またひとつ次の段階に向かうような気がします。

それにしても中野は本当に人をよく見ていて、その観察眼と、それを言葉にして他者を賛美することでの自らのモチベーションを上げているという、実に見上げた野郎です(笑)。この作品の良いところのひとつは、過去から現在までのバックボーンが見えることですね。ドラマーの層が厚くなるということでもありますが、ドラマーも世代によって変遷してきた、そしてそれが続いているんだという歴史みたいなものがみなの思考の中に直感的にイメージされれば、日本ももっと文化的に一般生活や遊び、教養やレクリエーションやコミュニケーションとしてもドラムや打楽器全般が根をおろすのではないかと感じます。

そして私などは、今までの制作の中でどうやって今の若者にわかりやすくするか、どんな企画がいいのかなんてことを多少考えていたつもりですが、そんなことはもう的外れであって全然役不足でもあるし役にも立っておらず、やはりまっとうに史実資料的なものをしっかりまとめて伝えることに集中すべきだなと。

調子に乗ってちょっと自分のことを書きますが、中野が対談で言ってくれている昔の記事を読んでみて、オールラウンドリズムセミナーからフィールロジックまでまとめてpdfにでもして自分のサイトで公開とかしたくなりました。誌面には著作権があるのでできないでしょうけど、そこはそれ、蛇の道は蛇ということで。

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この作品には、営業メディア的出版社から出てこない、企画や予算や営業力を超えたエネルギーが見え隠れします。それはやはりドラムに対する気持ちであり、作品にチカラを与えるのは人の想いなんだということに希望を感じさせられ、私ももう少し生きてみたくなりましたw これってある意味自分が思うジョブズ的な、オリジナルなものでに自立したものが持つ強みっていうものに少し近いようにも思っています。

S氏と中野の今後の作品作りにも期待!そして自分も頑張る!と。