2009年5月


ただいま、山下達郎『Sunday Songbook』にて、

「マーマレイド・グッドバイ」がかかりました!

長いこと沈黙してしまいました。m01さんのさすがの遠近法的な視点とその分析に、うんうん!そうそう!と、何度も頷いたまま自分の言葉を失っていました。

僕ももちろん青山純のドラムの素晴らしさを高らかに謳いたかったわけですが、僕も遠近法的に分析してみますと、ピークに持って行くまでの階乗的な盛り上げ方といい、その後のsaxソロから「どこ行くの〜!」というある種の不安定感といい、でもブッといベースと1拍1拍ブッとい杭を打ち込んでいくようなドラムがずっと中心でものすごい渦を巻き起こしている感じといい、その核にしっかりとつかまりながら遠心力的にブッ飛んでいく他のパートといい、なんと言うか、次々と速いスプリンターにバトンを渡して一気にゴールテープを切る様子を、「スポーツ大将」のカール君ばりに、それに併走して見ているかのような相乗的な爽快感があります。はい、もう何言ってんだかわからなくなりました……(笑)。で、近視的には、もう青山純!なわけです。いみじくも別ブログでm01さんが“タメ”と言っていましたが──うまく解釈できているかわかりませんが──この曲では、その“タメ”が、まさに“タメ”にもなっているし、次の1打への瞬発力の助走にもなっているように聴こえるのです。1拍ってこんなに長いのかとも思えるほど、バックビートの1発は深い地点まで連れて行かれる。バックビートが“沈んでる”。打面に、まだ着かない、まだ着かない、まだ着かない、着いたぁっ!!!!!!みたいな。で、そこにこの右手ですよ。ハイハットをこんなにグサグサと下方向に刺してるように明快なビートを文字通り“刻んで”いるのに、発している音はパッァーン!と弾けるような上向きの音。「高速の片手16はアップダウンで」なんていう通り一遍の教則がもの悲しく感じます……。しかしイントロのピックアップ前に入る“シッシキシッシッ”の打ち込みは実に巧い!と思います。本当に効果的。この音がLchにおそらく生ハイハットとmixされて入っていて、あまりにも生ハイハットと音色が似ているので1曲を通してどこまで入っているのかはもはやわかりませんが、曲の入り口から出口までの一本道を“陰で”道案内しているような、入り口で「これに乗りなさい」と空飛ぶ絨毯を渡されたような……。しかもハイハットは(いやドラム全体が)ONとOFFの音を絶妙にブレンドしているように聴こえます。いや、ヴォーカルだって……あ〜、どんなマジックなんだろう〜! いや、この演奏、この歌唱こそがまさにマジック! で、m01さんも言及した「ウラカッカッカッカッカッカッカッバッァ〜ン」ですよ! これが誘引するサビが、上で言ったこの曲の“ピーク”。この16分クいの、全員のテンションは何ですか!!!! この極小の“点”に向けて、全員がもう“居合い抜き”みたいな感じで、全員が、“砂嵐”から大空の映像に一斉に寸分違わずチューンしたような(TVをイメージしてます/笑)、一瞬で景色を変えてしまう迫力があります。

あーー、なんだか中途半端な分析で……恥ずかしいからか、書いているうちにどんどん体温が上がってきました(笑)。なんか、文章を書くのに必要ない足の筋肉までなぜか硬直しています(笑)。それくらいこの曲にはトリニティ的なエネルギーを感じるってことなんですよ! 頑張って書いてみましたが、言葉ではまったく歯が立ちません。

そろそろ梅雨の季節になって「ポケットミュージック」をプレイリストに入れ、7月後半、分厚い雨雲の隙間から強烈な日差しが差し込む季節になると、この「マーマレード・グッドバイ」に差し替える──それが毎年の習慣になっています。

(seimj)